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中東と世界をラジオで聞く ~店主の独り言~

8月13日(日曜日) 「DX年鑑」という本

 きょうは、書棚を整理していて目に留まって、思わず手にとって開いてみた本の話です。

 今を去ること30年以上前の話。日本BCL連盟が刊行した「DX年鑑」という、日本における海外放送受信のための情報を集めた本が4年続けて出版されました。1980年版から83年版まであわせて4冊。考えてみれば、この年鑑が発行されていた80年から83年ごろが日本のBCLの黄金期だったということになります。この本を持っておられる方も少なくないのではないでしょうか。

DX年鑑80

 こんにちなお、この年鑑についてはかつて(いまも)海外放送を聞いている(聞いていた)ファンの間で語り草となっているほど力が入った作品で、かのWRTH (World Radio TV Handbook)をその内容ではるかに凌駕する情報の質と量でした。

 残念なことにこの「DX年鑑」は、発行母体となっていた「日本BCL連盟」が解体されてしまったために「月刊短波」誌とともに再び世に出ることはありませんでした。BCL連盟無き後、各地の海外放送ファンが自主的に情報をまとめた冊子を発行したこともありましたが、この年鑑のように情報を網羅したものは1983年版の「DX年鑑」が最後となりました。
 
 いま記事を読み返してみると、各言語によるIDの表記等、当時の活字技術をフル稼働させて発行されていたことがわかります。印刷会社も大変だったのではないかと…。各ページの記事も、インターネットが無かった当時としてはよく頑張って調べられていると感心します。まさに調べるDXingの底力の集大成といった感じです。というか、ネットが無かった時代だからこそ、こうして地道にコツコツと情報を収集し、纏め上げるという作業ができたのではないかと思います。

 バックナンバーを読んでいて「もしこのDX年鑑を現在に復活させたらどうなるだろう?」とふと思いました。海外放送の世界の現状を描くのではなく、当時の年鑑に記載されていた情報の「その後」を追ってみるというのはどうでしょう?その後放送規模が縮小されたり、国そのものが消滅したり…と、案外面白い内容になるかもしれないと思うのです。

 とはいえ、当時の執筆者の方の中には物故者も含まれているでしょうし、ラジオの世界から完全に足を洗った(この表現が正しいかどうかはわかりませんが)方も少なくないでしょう。しかも、そもそもみなさん忙しい中でそのような取り組みをやろうと声を上げる人は… いないでしょうね。ラジオを聞いているかどうかは別として、読み物としての価値はありそうなんですけどね。

8月12日(土曜日) صوت الوطن العربي 「アラブ世界の声」(リビア・ジャマヒリヤ)の話をすこし…

 きょうの関東地方は昨日ほどではなかったものの真夏とはいえない比較的涼しい一日でした。というよりも、このところの猛暑が異常だったということでしょうか。ちょっと体調を整えるには大変ありがたい天気でした。

 さて、そんな天気だからというわけでもないのですが、きょうも古い録音(カセット)を整理しました。そろそろ殆どのカセットテープにラベルつけを完了するところまできました。きょうは、かつてカッザーフィーが率いていたリビア・ジャマヒリヤの国際放送「アラブ世界の声」の録音を一部デジタル化しました。

 リビア・ジャマヒリヤの放送はLJBC(Libyan Jamahriyah Broadcasting Co.)と呼ばれていました。SPLAJBCという名称でも知られていました。

 1970年代半ばを過ぎた頃、17930kHzに急に強力なアラビア語局が出現しました。しばらくしてこの放送がリビアから出ていることがわかりました。当時のリビアはカッザーフィーが率いる「直接民主制」の国で、かの「グリーンブック」が国の規範となっていたことは知っていましたが、それ以外は未知の国というイメージでした。

 リビアは外国語を排斥し、もっぱらアラビア語がすべてに優先されていましたので、放送も殆どの時間がアラビア語で行われていました。海外向け放送は「アラブ世界の声」といい、こちらももっぱらアラビア語で放送が行われていました。日本でもこの「アラブ世界の声」は良好に受信できました。日本時間の午前1時45分ごろから笛の音色のISが延々と流れたあと、2時の時報に続いて数分間にわたってスローガンが読み上げられ、アラブ主義を鼓舞する歌(アラブ主義の旗の下へ集え)が流れた後、コーランの朗唱、そして2時15分からニュースと続きました。

 リビアの国際放送は、けっこう頻繁に聞きました。というのも、放送開始前の周波数アナウンスがアラビア語のききとりに格好の材料だったからです。このアナウンスで数字や時間の言い回しを練習しました。放送開始時に流れるスローガンは、カッザーフィーが憧れていたエジプトの故アブドゥンナーセル(ナセル)のアラブ主義を踏襲したものでした。エジプトから放送されている「Voice of the Arabs」も放送開始と終了時にスローガンを放送していましたが、リビアのそれは本家エジプトのそれを凌ぐ長さでした。

 「アラブ世界の声」は、その後リビアが「アラブ主義」から「アフリカ主義」に徐々に軸足を移したことで「アフリカの声」と名称を変更することになりました。そして2011年にアラブ諸国で相次いだ政変劇の中で、リビアにもその波が押し寄せ、カッザーフィー政権はついに終焉。「アフリカの声」もその幕を閉じました。

Voice of Africa


 カッザーフィー政権に代わって誕生した新生リビアからはほんの一時期短波で西アフリカ向けの国際放送が出たのですが、リビアの政情が不安定でまもなくサービスは聞かれなくなってしまいました。

 LJBCをめぐる話は、それだけで結構な長さになります。いま、LJBCの歴史を手元の資料を基に整理しているところです。きょうチェックしたLJBCの録音はとてもクリアで、放送開始時のスローガンなどもよい音で残っています。こうしたスローガンの内容、つまり我々が若い頃聞いていたあの放送が何を伝えていたのか、また機会があればこのHPで公開したいと思います。

 

8月11日(金曜日) 1976年の受信LOGから

 1976年のきょう、どんな放送を聴いていたかLOGを引っ張り出して覗いてみましょう。なぜ1976年かというと、理由はありません 笑

 8月ということもあって当時はハイバンドの受信が安定していました。わたくしも学生だったこともあり、変に早起きをしたりしていたことがわかります。でも、やはりリスニングの中心は日本時間の午後から夜にかけて。今は聞けないなつかしい局の名前がいっぱい出てきて、ついついLOGを読みふけってしまいます。

JST/周波数/局名/使用語/受信状態(SINPO) 
0030 11880 Voice of Turkey in Bulgarian 34433
0105 15315 Radio France Intl. Paris Calling Africa in English 44443
0135 12140 Radio Espana Independiente (Clandestine) in Spanish 33433
0530 9740 Radio Portugal in English 43433
0650 11895 Radio Free Europe in Romanian 33433
1435 15170 Radio Tahiti in French 34443
1600 15120 Radio Norway in Norwegian 34433
1600 15305 Swiss Broadcasting Co. in English 34443
1630 15165 Radio Denmark in Danish 23432
1630 9525 Radio Habana Cuba in English 44333
1900 9570 Radio Canada Intl. in English 22322
2120 6383 Radio Ulan-Bator in English 43433-42432 (CWの混信)
2130 15120 Radio Sweden in English 44433
2215 15430 Swiss Broadcasting Co. in English 34443
2230 15110 Radio Finland in English 24422
2235 17920 Radio Cairo in English 34433

1976年にはまだ私はアラビア語の知識を殆ど持っていなかったので、主としてハイバンドの欧州局を聞いていたことがわかります。その中に、毎日しつこくリスニングしていたのが6383kHzのモンゴルでした。受信状態がいいのか悪いのか。とにかく信号が強くても変調が浅くて音声が聞こえなかったり、モールス局の強烈な混信があったりと、意外にきれいに聞こえることが少なかった局でした。複数回投書を送ったら「You are the most correct listener」だとの手紙とともに大量の本やペナント、切手が送られてきたことがありました。英語の学習のためにも、アジアの中で意外に目立たないモンゴルという国の放送に興味があった時期でした。今では日本語放送もあり、受信も容易になりました。その後私はモンゴルを卒業し、中東・アラブ世界に足を踏み入れることになります。

Ulan-Bator QSL IMG_20170812_0001.jpg


76年の夏というとモントリオール五輪が開催された年でもありました。何もかもが新鮮に感じられ、新しいことを次々に吸収していた頃でした。

8月10日(木曜日) 日本も国際スタンダードになったなぁと思ったこと

 今週の火曜日のこと、古い友人と二人で渋谷でベトナム料理を食べに行きました。この店は比較的安くて味も悪くないということで、今回は2回めの利用でした。

 結構長居をして会計(6700円)を済ませて家路についたところ、友人からメールが飛んできて「ひょっとしてきょうの会計は高くなかった?」とのこと。そういえば、よくよく考えるとせいぜい5500円ぐらいの飲食しかしていなかったような… 

 レシートを確認したら、なんと3品も関係ないものが乗っかっていて、1550円も過払いしていたことが発覚しました。家に着いたときには日付が変わろうとしているところだったので、とりあえず翌日に電話をしてダメモトで差額の返金を求めることにしました。まぁ、だいたいはアジア系の料理店で、アルバイト店員が会計を担当している場合には日本語はおろか英語もよくわからないことが多いのでその場でクレームをつけないと対応は難しいのだろうと思っていました。

 翌日(水曜日)の午後、その店に電話を入れてことの経緯を説明したところ、比較的日本語が流暢な女性が出て「わたくしは昨日の担当じゃなかったのですが、とりあえずレシートを持って店に来てください」との返事。「ん?そんな簡単に客のいうことを信じるのかな?」というぐらいすんなりと話が通ったのには驚きました。

 夕方、仕事を終えてその店に立ち寄って、店側のきのうの伝票とレシートとを照合してみたところ、なんと店の伝票がボールペンで改ざんされている跡を発見。飲み物の欄の正の字がしっかり書き足され、食べてもいない料理の名前も追加されていました。こちらが飲食したものをメモして「これだけ!」と主張し、差額の1550円を返金させました。店側の担当者は深々と頭を下げて陳謝していたのですが、伝票の改ざん跡を見てこれは常習犯だなと確信しました。だから電話したときにすんなりとこちらの主張を受け入れたわけです。

 今回のことはそもそも私と友人がレシートをチェックしなかったことが悪かったともいえます。そもそもここが日本で、店が客を騙すことなどほぼ起こらないと高をくくっていたのが間違いでした。日本はグローバル化されているといわれて久しいわけですが、それにしたがって残念ながら日本人の価値観とは異なる、外国の「見つからなければ儲けもの」という思想も流入してきていることは確かです。このベトナム料理店ではきょうも善良な日本人がボッタクリの被害にあっているのだろうと想像します。騙すほうがわるいのか、騙されるほうが間抜けなのか… 

 いずれにしても、今回の件はミスではなく故意だったと確信した以上、何か仕返しをしないと気がすまないのですが… 「ゴメンで済んだら警察はいらないでしょ」 笑

8月7日(月曜日) ヘタクソだなぁ…

 きのうの午後、Radio Kuwaitのصباح الخير(グッドモーニング)という情報番組を久しぶりにじっくり聞いてみました。JST13時05分から14時のニュース(30分間)を挟んで15時まで放送されている番組です。但しきのうは短波15515kHzではなくて衛星ラジオでの受信でした。

 このصباح الخيرという番組は、Radio Kuwaitの朝の看板番組で軽快な音楽と話題を織り交ぜた洗練された構成が魅力で、わたくしが学生だった頃は短波でよく聴いていました。アラビア語もきれいだし、話題もさまざまでアラビア語の学習に最適な素材でした。

 でも、きのうじっくり聴いてみたら、全体的に構成が荒削りとなっている上、アナウンサーの読みがヘタクソで聞きづらくなっていました。おそらくかつてはこのモーニングショーはそれこそ看板アナウンサーが担当していて、しかもその前後のニュースの読みも一線級のアナウンサーが担当していたのでしょうけれど、今は確実にスキルが落ちています。発音が不明瞭で、しかも多くのアラビア語衛星テレビチャンネル同様に変なクセをつけた、いわばチューインガムを噛みながら斜に構えて格好をつけて(本人はそのつもりなのでしょう)軽いノリで読んでいる雰囲気です。正直なところがっかりですね。

 よく「言葉は時代とともに変化していく」と言われます。確かにそのとおりだと思います。しかし、アラビア語のアナウンスの世界に限って言うと、やはりオーソドックスで重厚感と格調高いアナウンスは放送の基本です。アラビア語において、正しい文法に則った読み(アナウンス、ナレーション)は、それだけで読み手の知性と教養を反映すると受け取られるのです。裏を返せば、それほどアラビア語の正しい読みというものは難しいということです。アラブ世界においては、ダマスカス放送やアンマン放送のアナウンスは今もある程度の質を保っていると感じますが、その他の国々のラジオ放送のアナウンサーはエジプトも含めて全体的に訓練が足りない感じです。 

8月6日(日曜日) ラジカセ展@渋谷 アナログの復権の傍ら…

 東京の渋谷西武百貨店でいま「大ラジカセ展」という催しが開催されています。先日からテレビのニュースで何度も紹介されていて、近々一度訪れたいと思いつつ、まだ足を伸ばせていません。

 大ラジカセ展のHPはこちらをクリック!

 ラジカセ展のHPを見てみると、TBSラジオ/文化放送/ニッポン放送/TOKYO FM/J-WAVE が協力しているとのこと。在京民放ラジオ局も若い世代の聴取者の獲得がうまくいかず苦労しているようです。こうしたイベントを通してアピールすることを狙っているのでしょう。

 いま、カセットテープやレコードなどのアナログ音源が見直されはじめていて、特に高校生の間でカセットテープが人気なのだそうです。いまの若い世代は初めからデジタル文化に囲まれて育ったわけで、レコードはもとよりカセットテープを見たり触ったりしたことがない人も少なくないとか。そんな彼らに、ちょっと不便だけど見た目が面白いアナログメディアが受け入れられているという事実はなかなか興味深いものがあります。若い世代の多くが中波やFMのラジオの存在すら知らない中、このイベントが何らかの起爆剤になるといいですね。

 あるインタビューの中でラジカセ展の関係者が「デジタル化がすすみ、録音媒体がメモリなどの媒体に移り、いまや音が『かたち』を失った」と誰かがコメントしていましたが、まさにその通り。わたくしなんぞは、テープであれCDであれ、何かが「まわって」いないととても物足りないというか不安にさえ感じてしまいます。考えてみれば、CDが登場した時には長い交響曲を盤を替えることなく最後まで聞ける便利さに感動し、傷がつかないしへたらない便利さは重宝しました。

 しかしわれわれDXingを楽しむ者たちにとって、実はデジタルメディアは強烈なノイズ源となることから、敬遠したい存在です。実際のところ、わたくしが海外の放送を録音する術はいまなおカセットテープです。一度カセットに録音した音声を、MP3などのデジタルメディアに変換しています。そうでないと、デジタルレコーダーを短波のラジオにつなぐことで発生するノイズのおかげで、何も聞こえないのです。

 短波を聞く際にもっとも迷惑なのが、近隣の住宅から飛んでくるWiFiの電波。それから、携帯電話の充電用のアダプタをはじめとするノイズ対策が不十分な電気機器が挙げられます。ラインフィルターをかませても効果は殆どありません。自宅だけで対策をしてももはや近隣の地域一帯がノイズまみれです。ラジオを聞くチャンスは週末などに限られている中、ノイズフリーの環境に週末だけ移動してラジオ受信を愉しみたいと思ったりします。現実的には無理ですけど。

 先日インドネシアの友人から「ノイズが酷すぎて短波が聞けなくなってきている」との嘆きが寄せられました。当地での状況を説明して「お互い大変だね」と慰めあいました。インドネシアの友人はサマリンダ在住。首都圏ではないものの主要都市です。インドネシアの地方都市でもそんな状況にあるのだと認識を新たにしました。短波の将来は本当に厳しいです。

8月5日(土曜日) 放送局への受信報告

 先日アラブ圏在住のDXerたちと話す機会があり、QSL(受信確認証)の話題が出たときに「アラブ諸国の放送局の中には中東のDXerには返信をよこさないところがある」というトピックで盛り上がりました。

 ある知人いわく「Radio Kuwaitに何度受信報告を送ってもQSLカードはおろか、返信そのものがない。ちなみにアラブ諸国に留学している日本人のふりをして日本人名で受信報告を送ったら返信があった…」というのです。クウェート以外にもUAEのアブダビが同じような対応だったそうです。にわかに信じられない話だったのですが、複数の知人が同じような体験をしているとのことで、やはりそうした区別がなされているのかもしれません。

 日本でBCLが趣味として多くの若者に受け入れられていた70年代後半から80年代半ばまでの一時期、実は日本からの受信報告に返信をしてくれなかった放送局がありました。Radio Norwayです。ある時期から受信報告を送ってもなしのつぶて。封筒の表面に「無視しないで!」(Please don't ignore!)とまで書いて受信報告を送ってもダメでした。その後ブームが去った80年代半ば以降、Radio Norway は返信を再開したようですが、考えてみればすごい数の手紙を処理し切れなかったために一時的に返信を止めるというのも仕方のないことだったのかもしれません。

 まったく余談になりますが、わたくし、かつて中学時代にピョンヤンの放送局に手紙を送った際に「もっと面白い番組を聞きたい」と書いたところ、まったくスルーされたことがあります。「面白い番組」というのは、連中にとってはキムさんの不朽の労作あたり(いや、これは面白いなどというものではないかも)なのでしょうけれど、中学生にとってはあまりにも退屈な内容だったという感想を素直に書いただけだったのですが 笑

 ピョンヤンの放送局の日本語放送(1973年1月)の音声はこちら: Pyongyang January 1973
  

 ずいぶん昔に一度書いたかもしれませんが、BCLを趣味とする人の中にはQSLカードを受け取るために様々な策を講じているケースもあるようです。国際返信切手を同封するのはよく行われる方法ですが、そのほかにも自分で作成したQSLカードにサインを入れて戻してもらう方法や、違法と知りつつ現金を同封するケースも少なくないようです。しかし、放送局側からすればQSLの発行や投書への返事というものはあくまでもサービスで実施しているわけで、それを返信がこないからヒドい放送局だと烙印を押すのはお門違いというものです。ひょっとして返信がないのは、不躾な手紙や受信報告、そしてカネで人を動かすという不遜な態度そのものにあると考えてみてはどうでしょうか。

 返信を得たいばかりに、ある特定の政治的・社会的目的をもつ放送局(地下放送など)に受信報告を送る際に「あなたたちの目的が達成されることを願っています」などというリップサービスを書き込むようなケースもあるようです。実際にはそんなこと微塵も考えていないし、そうした放送局の素性や主張を理解すらしていないにもかかわらず無責任にそのような言葉を口にする(書く)というのも、いささか恥ずかしい行為だと思います。
 
 海外の放送局に手紙を送る際にはマナーを守って…というのはBCLが盛んだったときによく雑誌などに書かれていた文言です。デジタルメディアが全盛のこんにち、インターネットの世界では無責任、無礼、無秩序がまかり通っています。そうした中、放送局とメッセージのリアルなキャッチボールを楽しむことができるDXerには、今こそ礼節をわきまえた振る舞いが求められていると感じます。

7月30日(日曜日) (なつかしの)受信音シリーズ SUPER ROCK KYOIをチュニスで聞いてみた の巻

 ネタのないときに重宝している「受信音シリーズ」。きょうはSUPER ROCK KYOIの巻です。KYOIは、1982年12月から1989年にかけて放送を行っていた音楽局(サイパンから送信)で、まぁ我々の世代では有名な存在でした。

 このKYOIの録音、ただしこれは北アフリカのチュニスでの受信音です。KYOIの11900kHzと9670kHzが比較的頻繁にチュニスでは受信できていました。11900kHzが現地時間14時、日本時間で01時ごろ。9670kHzは現地時間20時、日本時間07時ごろに、混信があったものの内容が聞き取れる程度には聞こえていました。

 当時のLOGには、11900kHzはモスクワ放送の混信があり、9670kHzはIBRA Radioの混信があったと記載されています。きょうご紹介する受信音は比較的良好だったときのもののようです。
 
 ちなみに、このKYOIですが、晩年はロックではなく演歌などを頻繁に流していたので、「SUPER ROCK KYOIではなくてSPER ENKA KYOIやんけ!」などと悪態をついていたラジオ仲間もいました。わたくしは、北アフリカからも受信報告を送らずじまいでした。

 ではSUPER ROCK KYOIの受信音(JSTでは1983年3月30日0220、11900kHz)をどうぞ: Super Rock KYOI received in Tunis

7月29日(土曜日) Radio Kuwait極東向け 好調

 Radio Kuwaitの極東向け15515kHzは、連日良好に受信できています。JST1630を過ぎると特に安定してきます。短いビデオを撮影したのでここにアップしようと思ったのですが、残念ながら「ファイル形式がサポート外」だとのことで紹介できません。代替案を検討してみます…

 現在のところDRM放送は欧州向けに限られているようですが、そのうちDRMモードでの放送が始まるかもしれません。Radio Kuwaitに電話で問い合わせをしてみようと思いつつ、仕事がたまっているのでついついそのままにしてしまっています。近々情報収集をしますので、もう少しお待ちください。

 ところで、この15515kHzの受信状態のピークが17時台にきているわけですが、我々がDXingを最もアクティブに楽しんでいた70年代後半から80年代半ばごろまでは、中東方面は15時JSTごろが午後のピークだったように記憶しています。16時を過ぎると欧州方面が開ける代わりに中東方面は状態が徐々に悪くなっていったような記憶があります。そしてその後18時から19時ごろになると逆にハイバンドで中東がまた開けてきて13メーターバンドでサウジアラビアやクウェートが受信できていました。

 あれからすでに30年以上経っているわけで、いまさらそのような話をしてもあまり意味があるとは思えませんが、伝播状態は時を経て徐々に変化してきているのだと感じています。意外な局、方面が意外な時間帯に受信できるというのも、面白いです。

*****

追記:

 7月31日17時JSTのRadio Kuwait15515kHzの録音をアップします。MP3ファイルです。この時間帯は本当に安定して良好に受信できています。

 受信音はこちら: Radio Kuwait 15515 July31 1700JST

7月23日(日曜日) Radio Kuwait ウルドゥー語放送も良好

 こちらは海外のDXerからはすでに報告が出ていたものですが、さきほど0100JSTから当地でも短波15540kHzで超良好に受信できることを確認しました。「世界の情報」という番組を放送しています。

 これで極東向けの15515kHzとともにアジア向けの15540kHzが復活したことになります。ちなみに、この周波数ではすでにDRMテスト送信(英語)も実施されているとのことですが、時間が0300JST以降と遅いためにチェックできていません。

 土曜日の書き込みでも述べましたが、Radio Kuwaitの短波復活はうれしいことです。しかし、今後需要がないと局側が判断すればまた休止、廃止という動きにつながっていくでしょう。QSLをゲットするだけではなく、定期的に受信報告を送るなど、Radio Kuwaitへの継続的なアプローチが大事だと思います。皆様も折に触れて受信報告を送ってあげてください。

7月22日(土曜日) 短波 中東方面良好 BSKSAを聞いてみた

 Radio Kuwaitの極東向け短波送信復活に刺激を受けて、きょうはまた久しぶりに短波をワッチしています。JST2200過ぎ現在、ハイバンドで混信もなくサウジアラビアのBSKSAが受信できています。

 17895kHzのHoly Qur'anプログラム(アラビア語)は、昼過ぎからアジア向けの送信が行われているので日本では良好に受信できる中東局の筆頭格というところですが、きょうは2200過ぎにSINPO44444以上でクリアに受信できています。

 21505kHzではこの時間帯、BSKSAのGeneral Programme(アラビア語)が良好で45444程度で聴けています。JST2300過ぎから「こんにちの王国」というローカル情報番組が放送されています。ネットでの聴取とはまた異なった雰囲気で、なかなかいいです。ただ、送信機の調子でしょうか、音声が時々切れてしまっています。

 BSKSAはWRTHによるとQSLの発行は取りやめているらしいです。昔は立派な封筒が書留便で送られてきたものですが。

7月22日(土曜日) Radio Kuwait back on the air on 15515kHz to the Far East

 Radio Kuwait15515kHzの極東向け送信が復活しています。当方で気づいたのはきょう、22日ですが、少し前から復活しているようです。詳細は問い合わせ中です。

7月22日、JST1500過ぎから断続的に受信でき、1620ごろから信号が強くなりました。1625から كويت الغد (クウェートの明日)という対談番組が受信できています。SINPO44444-44443程度で良好です。久しぶりのKuwaitの短波極東向けです。

 中東の短波局の中でも極東向け送信を維持してくれているRadio Kuwaitが復活してくれたことは大変うれしいことです。

Kuwait SW1


Radio Kuwait resumes its shortwave transmission to the Far East and Japan on 15515kHz after two years of silence.
Today at 0720 UTC, the transmission was heard loud and clear here in Japan on this frequency, 44443 with SINPO rating code. It is nice to listen to the station on the shortwave again. Radio Kuwait's frequency manager told me in May this year that they will resume full fledged shortwave transmissions once the transmitting stations renovation has been complete. They also told me that the station is planning to resume DRM transmissions.

إستئناف إذاعة دولة الكويت بث برامجها على 15515 كيلوهرتز الموجهة للشرق الأقصى واليابان وذلك بعد تعليق البث الذى دام لمدة حوالى سنتين الماضيتين.
التقطت اليوم 22 تموز في حوالى الساعة 0720 حسب التوقيت الدولي بث برامج إذاعة دولة الكويت البرنامج العام باللغة العربية التقطتها بإشارة قوية وبصوت واضح هنا في اليابان. أقدر نوعية الاستقبال بشفرة SINPO بمقدار 44443.
إنه من غاية سروري أن أستمع إلى إذاعة الكويت على الموجة القصيرة مرة أخرى.
جدير بالذكر، قال لي مدير قسم مراقبل الترددات بإذاعة الكويت - في شهر أيار مايو الماضي - أنهم سيستأنفون بث برامجهم على الموجات القصيرة بصورة كاملة بمجرد الانتهاء من تجديد محطات الإرسال. وقال أيضا أن إذاعة دولة الكويت تخطط لاستئناف خدمة DRM - بث رقمي على الموجات القصيرة.

7月22日(土曜日) 1981年のLOG ラジオ爆聴き! の巻

 久しぶりに昔のLOGを紐解いてみます。きょうは1981年の受信記録。一番アクティブにラジオを聞いていた時期で、記録を見てみるとよくもまぁこれだけ腰を据えて(というか、しつこく…)チェックしていたものだと驚いてしまうほどで。

 では81年7月22日の受信記録をどうぞ(時間はすべてJSTです):

JST
0000 15060kHz BSKSA in Arabic 33443
0010 17650kHz Radio Kuwait in Arabic 34443
0015 17670kHz Radio Cairo in Arabic 44444
0015 15400kHz Voice of the Masses (Baghdad) in Arabic 44433
    21585kHz Voice of the Masses (Baghdad) in Arabic 34433
0020 15084kHz VOIRI in Persian 34443
0020 21685kHz Radio Kuwait in Arabic 34443
0030 7290kHz BSKSA in Arabic 33443
0035 17730kHz VOIRI in Persian 32432
0040 6550kHz Voice of Lebanon in Arabic 24442
0040 9580.9kHz Free Voice of Iran (clandestine) in Persian 33443
0100 9554.1kHz Radio Baghdad in Persian 43443
0110 5747.3kHz Radio Pakistan in Dari 33433
    5095kHz Radio Pakistan in Dari 34443
0120 21500kHz Radio Berlin International in Swahili 34443
    21515kHz Radio Berlin International in Swahili 33443
0128 11770kHz DYBS Aden in Arabic 44444
     6005kHz DYBS Aden in Arabic 33433
0140 7373.8kHz Radio Pakistan in Urdu 42442
0140 7465kHz IBA Israel in Arabic 34443
0140 9840kHz Radio Kuwait in Arabic 44443
    9880kHz Radio Kuwait in Arabic 44444
0140 9850kHz Radio Cairo in Arabic 44444
0145 9751.4kHz Holy Qur'an from Cairo in Arabic 33443
0150 17930kHz SPLAJBC Libya in Arabic 45444
0205 11854.8kHz Radio Omdurman in Arabic 32432
2315 7332.1kHz Radio Pakistan in Urdu 34443

伝播状態がよかったこともあり、当時はハイバンドもとても良好だったことがわかります。しかも中東局がザクザク! 深夜2時ごろまでラジオを聞いて、昼間は何をしていたのでしょうか。まだ夏休みではなかったはずですが。

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 いまや上記のリストの中に含まれている局の殆どが短波から撤退してしまっていて寂しい限りです。

7月11日(火曜日) Radio Omanからメールで返信

 このページでRadio Omanを短波で聞いた話をしましたが、その際、Radio OmanのウエブサイトのContact Usページからメッセージを送りました。ダメもとで受信報告も添付しておきました。

 アラブ諸国の放送局に限らず多くの国の放送機関のホームページに設置されているメールフォーム(Contact Us)経由でメッセージを送っても、多くの場合はスルーされてしまい、その後もなしのつぶてとなってしまうケースが殆どなのですが、今回は珍しく返信が届きました。まさかメールで返信があるとは思っていなかったので、驚きました。

 ただ、その内容は「メッセージをお送りいただきありがとうございます。Radio Omanの各ネットワークはウエブでも配信していて… (URLの説明等は略) …今後とも当放送をお聞きください。このたびはありがとうございました」という通り一遍のもので、当方から送った受信報告については何も触れていません。

 このメールで終わるのか、それとも普通郵便でさらに何か送られてくるのか。しばらく待ってみようと思います。

 ちなみに、メールでの受信報告に対する最速の返信は、カッザーフィー体制下のリビアのLJBCからで、4時間半という記録があります。

7月9日(日曜日) Breaking News: イラク首相 モスル解放を宣言

 ロイター通信など世界のメディアは、イラクのハイダル・アバーディー首相が9日、声明を発表し、2014年6月に過激派組織「イスラム国」(IS)が制圧し、イラク最大の拠点として支配した北部モスルの解放を宣言したと伝えました。

 イラク国営Radio Mosulは放送の中でモスル市民と電話で結び、祝賀のメッセージを交わし、愛国的な歌を繰り返し流すなど、モスルの解放を祝う雰囲気に満ちています。

 このところ、テロ組織ISが運用するラジオ放送、Radio Al-Bayanはネット上で聞くことができなくなくなっており、一時の勢力は完全に削がれてしまっていました。

 日本時間10日(月曜日)00時からRadio Mosulは特別番組を放送して、イラク国軍によるモスル解放について伝えています。放送では「まもなく正式に解放が宣言される」と伝えています。放送ではFM88.7MHzでオンエア中だとアナウンスされています。

 モスルの解放はイラクの人々にとって大変喜ばしいできごとです。そしてテロ組織ISは、彼らが事実上の首都としているシリアのラッカもまもなく失うと思われます。しかし、モスル、ラッカを失ったテロ組織は、各地でテロ攻撃を激化させるとともに、欧州や他のアラブ諸国に帰国して不穏な動きを見せると思われます。こうしたISのメンバーたちの動きに懸念は消えません。

7月9日(日曜日) 面白い言語 マルタ語 受信音シリーズ Xandir Malta の巻

 かつて一時的に日本語放送を実施していた地中海のマルタの国際放送Radio Mediterranean International。すでに放送は廃止されてしまいましたが、マルタという島国を知る機会はふだんあまりないことから、重要な役割を果たしていました。

 きょう紹介する受信音は、こうした国際放送ではなく、国内向けのXandir Malta(シャンディル・マルタ)のRadio Malta Nationalの83年ものです。マルタの国内向け999kHzはチュニスでは日中時間帯に比較的安定して受信できました。夜の時間帯は混信が激しくて受信は難しい状況でした。しかも999kHzは周波数が微妙にずれていたため、混信があるとビート音が発生してきわめて聞きづらい状態になっていました。

 このRadio Malta Nationalが使っているのがマルタの国語であるマルタ語です。マルタ語というのは不思議な言語でして、言語学的にはアラビア語の方言という位置づけなのだそうです。聞いているとイタリア語のような抑揚がありながら、随所にアラビア語の語彙が入ってきます。とくに数字はアラビア語とほぼ同じような言い回しなので、よくわかります。

 きょうの受信音は、Radio Malta Nationalをチュニスで受信したものですが、ちょうどニュースの時間帯だったためIDが出ています。アラビア語の数詞をご存知の方は、ニュースの前後に時刻アナウンスが出ている(ニュースの直後には11時5分です などと出ています)ので注意して聞いてみてください。アラビア語ではالحادية عشر وخمس دقائق (al-hadiyatu ashara wa khamsa daqa'iq=11時5分)と出るのですが、マルタ語はĦdax u ħames minuti (hadash u khames minuti)と出ています。hadash=11というのはアラビア語ではahad-ashara。ニュースもマルタ語ではAħbarijiet。アラビア語ではاخبار (akhbar) ですから、そのものですね。などという細かい話で恐縮ですが、このようにマルタ語を聞いていると興味は尽きません。ただ、いくらアラビア語の方言だといっても、文法体系、たとえば活用の規則性がアラビア語とは異なる(当然ですが)ので、多少理解できても話してみろといわれるとやはり無理です。

 このRadio Malta Nationalを1988年の春に訪問することができました。83年に送った受信報告に対して受信確認を発行してくれた責任者と実際に会って話をする機会を得たこともなつかしい思い出です。

Radio Mediterranean QSL
Xamdir Maltaの海外向けRadio MediterraneanのQSL

 では、マルタのRadio Malta Nationalのニュースの時間をお聞きください: Radio Malta National - News in Maltese

7月8日(土曜日) 地中海沿岸で昼間中波を聞いたら(1983)

 古い話ばかりで恐縮ですが、また1983年ごろの録音をもとに少し書いてみたいと思います。

 1983年、北アフリカのチュニスで昼間の時間帯にラジオをつけると、意外に遠くの中波局が受信できることに驚きました。海上伝播といいますか、ともかく地中海を隔てた欧州の中波局がちらほら。超強力というわけではないものの、十分聞き取れる状態でした。

 567kHzのRAI(Caltanisetta 25kW)や999kHzのRadio Malta National(5kW)、1402kHzのHoly Qur'an-SPLAJBC(20kW)、1304kHzのRTA-Albgeria(Constantine 40kW)などが昼間いつも受信できていたほか、スペインやフランスの局もいくつか聞こえていました。中でもスペイン・バルセロナのRadio Espana de Barcelona 990kHz(10kW)とRadio Barcelona 828kHz(20kW)はRadio Nacional de Espana 738kHz (250kW)ほど強力ではないものの、いつも聞くことができました。

 欧州、北アフリカ地域というのは、国の数も多いし地理的にも地中海を挟んで電波の飛び方も面白いし、ということで、暇なときにラジオを聞くにはうってつけの場所でした。

 最近は欧州、北アフリカ地域でもデジタルノイズのレベルが上がり、さらに欧州地域を始め多くの国が中波からFMに放送を移行するなど、状況は変わりつつあるようです。それでも、ラジオのスイッチを入れて聞こえてくるのが国内局か中国語、朝鮮語局という日本の状況よりも変化に富んでいることは確かです。この地域に旅行などで訪問される際は、ラジオの携帯をお忘れなく。

IMG_20170709_0001.jpg

 では、本日はチュニスで受信したRadio Espana de Barcelonaの音(昼間の受信)をお聞きいただきます。録音の始めの部分でIDが出ています。 Radio Espana de Barcelona 990kHz

7月2日(日曜日) 受信音シリーズ キプロスCyBC の巻

 先日はキプロスの北側、KKTC(北キプロストルコ系共和国)の放送局 Radio Bayrak のトルコ語ニュースの録音を紹介しましたが、考えてみれば国際的に承認されている南側のキプロス共和国のほうを先に紹介すべきだったかも…と思うに到り、ここにキプロス共和国のCyBC=Cyprus Broadcasting Corporationの録音をUPすることにしました。

 地中海の島国キプロスへは、縁があって数回訪問しています。最初は1988年の冬のこと。Radio Bayrakを訪問したのがその時です。

 きょう紹介する音声は、88年の冬にキプロスを訪問した際の現地録音なのですが、なんとそのときにCyBCではジャーナリストのストライキが行われていて、通常の番組がほとんど休止されていました。放送の終了時を狙ったのですが、イージーリスニングがノンストップで続いたあと、終了アナウンスと国歌(ギリシャ国歌と同じ)が流れるところが録音できました。

CyBC QSL

 88年のキプロス訪問時には残念ながらCyBCを訪れることはできませんでしたが、その後2010年にキプロスを訪れたときにはCyBCのスタジオを見学する機会を得ました。2010年当時はCyBCの国際放送が短波で実施されていましたが、その後廃止されてしまいました。海外向け放送は、イギリスのキプロス人向けにギリシャ語で行われていて、国内向けラジオ第一放送で放送していたΗ Κύπρος κοντά σας(キプロスはあなたのそばに)という番組を短波で週3回放送していました。

CyBCのラジオスタジオ 
CyBCのラジオスタジオ

 余談ですが、国内向け放送のISと海外向け放送のISは、メロディーは同じでしたが演奏が異なっていました。その後海外向け放送はISを流さなくなりました。

 海外向けΗ Κύπρος κοντά σας(ISが出なくなってからの録音。TMで急に番組が始まる):CyBC External Service

 キプロスCyBC第一放送の終了時の録音:CyBC Programme 1 closing down with NA

7月1日(土曜日) どうでもいいけどかなり気になること

 先日開催された第101回 日本陸上競技選手権大会では、見ごたえのあるレースが繰り広げられ、普段スポーツにはまったく興味のない私ですら、テレビのニュースを見てしまうほどでした。

 そんな中気になったのは、100メートルと200メートル男子で優勝したサニブラウン選手の名前の呼び方です。サニブラウン選手はガーナ人の父親と日本人の母親のもとに生まれ、父親のムスリム名アブデルハキームを名乗っています。サニブラウン・アブデルハキームです。

 ところが一部のメディアで、まぁこれは日本のメディア全般に言えることですが、アブデルハキームをハキームと短縮して伝えているところがいくつか見られます。おそらく、名前が長いから という理由でそうしているのでしょうけれど、本当はやってはいけない、というか相手に失礼だということをわかっているのか心配です。

 私たちに耳馴染んでいる アブデル●● という名前の“アブデル”(正しくは アブドゥル)は、アラビア語ではAbd+定冠詞のALの組み合わせです。Abdというのは「●●に額づき仕える者」という意味で、イスラム世界の人名では●●の部分は唯一神アッラーの99の名前のうちのいずれかが対になっています。アッラーというそのものの名前のほかの99の呼び方を日本語では「美名」と読んでいます。アッラーالله というそのものずばりの名前のほかに アル・カリーム(慈悲深いお方)、アル・ハック(真実)、アッラフマーン(慈愛に満ちたお方)など99の呼称があります。すべてアッラーを示していて、Abdとつながってعبد الله アブダッラー、عبد الكريم アブドゥルカリーム、عبد الحق アブドゥルハック、عبدالرحمن アブドゥルラフマーン… つまりいずれも「アッラーに仕えし者」という意味になるわけです。
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中央にالله(アッラー)、その周りに99の「美名」が書かれた絵葉書

 サニブラウン選手の名前の アブデルハキーム は、Abd+al-Hakim عبد الحكيم という構成になっていて、つまり アルハキーム(賢なるお方)に仕えし者 という意味を持ちます。

 ここで言いたいのは、サニブラウン選手の宗教がどうこうというわけじゃなくて、ムスリム系の名前を持つ人の アブド+●● は上で書いたように不可分なものなのだということです。サニブラウン選手や彼の父親が名前の短縮形を使うことをOKしているのなら、外野がとやかく言う話ではありませんが、一般論として アブドゥル を省略することは たとえて言うと日本人の名前の 健太郎 を 太郎 と呼んだり、潤一郎 を 一郎 と呼ぶ、あるいは 晋三 を 三(ぞう) と呼んだりするのと同じだということをわかった上で名前の短縮化を行わないといけないと思うのです。

 いま海外から日本にやってくる人が急増している中、ムスリムも多く来日しています。口先だけの「国際化」が声高にお経のように唱えられる中、きょう書いたようなことを知っておくことはとても大事なことだと感じるのです。

6月28日(水曜日) リクエストに応えて Radio Oman現地録音

 先日のRadio Omanの英語放送の受信情報へのコメントをいただいた際に、Omanの現地録音をUPするとお約束しました。

 現地録音といっても、私はOmanを訪れたことはありません。Oman上空をJAL機で通過中にラジオをつけたら偶然受信できたRadio Omanのアラビア語ニュースの録音をここに紹介します。

 ちょうど上空を通過したのが現地時間の深夜午前1時で、最後のニュースの要旨の時間でした。時計塔のチャイム音に続いてIDが出ていますが、このときは9月の初旬でまだオマーンの首都は避暑地のサラーラ(夏の首都)でしたので、マスカトではなくサラーラから放送しているとアナウンスが出ています。

 ではRadio Omanの録音(1987年9月) をどうぞ: Radio Oman 1987

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