Home > ラジオ関連 > 7月4日(月曜日) バングラデシュでのテロ事件について

7月4日(月曜日) バングラデシュでのテロ事件について

 7月1日(金曜日)、バングラデシュのダッカのレストランに武装した男たちが押し入り、外国人を中心に20人の尊い命が失われました。親日国バングラデシュで起きた凄惨な事件に対しては、国際社会から強い怒りの声が上がっています。

 時間発生から3日。日本のメディアは、日本人犠牲者のこれまでの功績や人柄について紹介する一方、犯人グループの背景についての分析をさまざまな識者の声を交えて伝えています。犯人グループの素性については、まだ推測の域をでておらず、どのチャンネルを見ても同じような話に終始しています。かくいう私も今回の事件をメディアの側面から追ってきましたが、犯人グループ像に直接つながるような事象は見つけられていません。

 ただ、今回の事件に関連したテロリスト集団ISのラジオ放送やネット上での声明文(IS関連だとされている声明)をフォローしていて、ふと感じたことがあります。

 その一つは、今回の事件に関する限り、ISのラジオ放送「Radio Bayan」が沈黙を続けているという不自然さです。パリでのテロ事件の際などには、このラジオ放送のニュースが事件について伝えていましたし、そのほかの、いわゆるISが関与したとされる事件についてもラジオニュースで伝えていました。ここ数日のラジオ放送のニュースではフィリピンでの武装グループによる襲撃事件などについての言及があり、「Radio Bayan」が中東(シリア、イラク)だけに限った情報を放送しているというわけでもないことを考えると、ダッカのテロ事件がニュースとして取り上げられていないことに違和感を持ってしまいます。

 もう一点は、武装グループによる犯行声明の内容です。すでに各方面から報道されているので全文をお読みになった方も多いとは思いますが、犯行声明の中に、今回の事件が「十字軍国家とその追随者」への攻撃だったことを謳った後に「イタリア人を殺害」という一文が出てくるのですが、ここで日本人についての言及が含まれていないことに、これまた違和感を抱いてしまいます。犯人グループは犯行途中にSNSで情報を発信し、IS系とされるニュースサイトでは複数回にわたりBreaking Newsと題名をつけて「現在バングラデシュ治安部隊と交戦中」などと、事件の途中経過を速報していました。犠牲者の中に多くの日本人が含まれていることを犯人グループは知っていたはずなのに、犯行声明がそれにまったく触れていないことについて、不思議な感じがします。

 とはいえ、犯行声明に日本人が名指しされていないということは、日本がテロリストたちがいう「十字軍国家の追従者」というレッテルから解放されたということを意味するのではなく、単なる偶然だったというふうに考えたほうがよいのではないかと思います。

 Radio Bayanの報道ぶりや、犯人グループによるとされる犯行声明からは、今回のテロ事件がISの本拠地であるシリアやイラクからの指令によって実行されたというよりも、バングラデシュのテログループが自発的に行った犯罪であり、そのためISの本家は事実を把握していなかった… そんなふうにも考えられます。そして、ISはバングラデシュでの犯行を「後追い」で自分たちの組織による、と宣伝するのかもしれません。あるいは、今回の事件についての情報の出方が、テロ集団ISの本丸であるイラク、シリアでの勢力減退、つまり本丸の求心力の低下と見ることもできるかもしれません。

 いずれにしても、ISのラジオ放送は依然としてニュースで今回のテロ攻撃に言及しないままです。その一方で、イラクの首都バグダッドで200人以上が死亡した自爆テロ事件については繰り返し伝えています。

 犯人は誰であろうと、卑劣なテロ攻撃を正当化することは断じてできません。日本在住のイスラム教徒は、イスラムの名を借りた悪質なテロ活動に強い憤りを感じていると知人が話してくれました。今回の事件が日本とバングラデシュとの友好関係に影を落とすことが今はとても心配です。

Comments: 0

Comment Form
サイト管理者にのみ通知する

Home > ラジオ関連 > 7月4日(月曜日) バングラデシュでのテロ事件について

Tag Cloud
Search
Links
Feeds

Return to page top