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10月6日(土曜日) スーパーの伊藤さん

 地元のスーパーに名物おじさんがいます。勝手にわたくしが「名物」だと決めているのですが。その人の名は「伊藤さん」。歳はおそらく60代後半ぐらいでしょうか。背が高くスラッとしたおじさんで、最初この人は店長なのかと思っていたら、そうじゃなくて、しかも売り場責任者かと思ったのですが、それでもない、一般の店員らしいです。

 この伊藤さん、素晴らしいのはそのソフトで上品な語り口です。普通、どのこスーパーの店内でもセールのお知らせなどを威勢のいい声で案内していますが、この伊藤さんのアナウンスはとっても柔らか。囁き、とまではいきませんが、静かに呼びかける声は聞く人を落ち着いた気分にさせてくれます 笑  品格と知性が感じられます。下品な痴性が売り物のわたくしとは正反対!

 伊藤さん、ことしの花見の季節にはなんと和歌を織り込みながらちらし寿司を勧めるインテリぶりを発揮してブイブイいわせていました。この人、とにかくアドリブがおもしろいのです。

 春のある休日のこと、じゅんさいが目玉商品で売られていたときの口上は「みなさま、じゅんさい、おいしゅうございます。でも、みなさま、最近はお子様方の中にはじゅんさいをご存知ないかたも多いのではないでしょうか。そこで、今夜は、美味しいじゅんさいのお吸い物や酢の物をお子様とご一緒に楽しまれてはいかがでしょうか。お子様にとりましては、じゅんさいを見て、味わう、いわば理科のお勉強のチャンスでもございます…」。 最近では、駅弁フェアの際に「●●弁当、いよいよ残りが4つとなってまいりました。きょうは当店自慢のお弁当を多数取り揃えておりまして、お客様がたの多くがお手にとってごらんになり『まぁ美味しそう』と言ってお買い求めくださっております…」といったアナウンスを堂々としておられました。

 だいたい、じゅんさいを「理科の勉強」に無理やりこじつけたり、弁当を手に取った客が「まぁ美味しそう」などと声を上げたりという設定自体に無理があるし、そりゃウソでしょう(笑)などと言いたくなるところですが、この伊藤さんならすべてが許されてしまう雰囲気なのです。そのほか伊藤さんは「今夜は●●はいかがでしょう?」という表現ではなく、必ず「みなさま今夜のお献立は●●などいかがでございますか」という、いまどき「お献立」などという上品な語彙がすらすら出てくる。お育ちのよさが随所ににじみ出てくる方なのです。

 あ、そろそろ今夜の「お献立」を考えて「お買い物」にお出かけする時間となってまいりました。今宵も「伊藤節の名調子」が聞けるでしょうか? 楽しみでございます。

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